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ら用いられている確率測度に支配される統計的解析手法では必ずしも正しい結果を得ることはできないことを示した。これに替わる方法として、ファジィ測度、ファジィ積分を中心としたファジィ理論の適用が、要因間の統計的独立性、加法性等の制約を受けることなく用いることができるので、乗り心地、乗り物酔いの評価の場合には有用であると考えられる。
表2.2.3−7,2.2.3−8で示した各因子の影響度、重要性を用いた乗り心地の総合評価のシミュレーション結果を図2.2.3−5に示す。図中のモデルAは、形容語対からの推定結果、モデルBは4つの要因からの推定結果である。図より、モデルBの推定結果は、被験者の回答による結果との一致が良く、モデルAによる推定結果は概ね良好な推定値を与えるものの、必ずしも良好でない場合のあることがわかる。これは、モデルBは、4つの重要度を被験者から直接得ているのに対して、モデルAの場合には、乗り物酔いに直接関係のない被験者の感覚的なイメージからの推定によるものであること、形容語対の影響度の推定が十分な精度で行われていないことによると考えられる。

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図2.2.3−5(1) 乗り心地の総合評価の例(1)

 

 

 

 

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